
最初の打合せでクライアントは「小さくていいので、家族が仲良く暮らせる家にしたい」と話されました。
私たちは、家族が自然に集まり長い時間を過ごせるようにと、圧倒的にゆとりのあるリビングを作りたいと考えました。実に半分以上ものボリュームを占めるリビングは、日常の様々な家族の営みを包み込み、まるで家全体がワンルームであるかのような空気のつながりを生み出しました。大開口を介して続くデッキテラスは、もうひとつのリビングとして暮らしに広がりを与えてくれます。
家族がそれぞれに居心地のよい場所で思いおもいに寛ぎながら、豊かなコミュニケーションが育まれていくことを期待しています。
Data: ○所在地/鳥取市湖山町○用途/専用住宅○家族構成/夫婦+子ども1人○構造/在来木造○規模/地上2階建○設計期間/2009年4月~2009年10月○施工期間/2009年11月~2010年4月○敷地面積/148.56m2○延床面積/83.21m2
平面図
詳細
デッキテラス

10帖ほどの広さを持つデッキテラス。公と私を物理的に隔て、プライベートを確保すると同時に、家の内と外を緩やかに繋ぎ、自然を取り込む装置ともなる。
リビング

キッチン前に設えられたダイニングテーブルから見たリビング。大きな窓と高い天井が、決して大きくはない空間に実際以上の広さに感じるそれと、とゆとりを与えている。
特別記事: 青空に浮かぶ白い雲。
「白い家に住むのが私の夢だったんです。小さな頃に暮らしていた家の前に、真っ白な家が建っていて、それに憧れていたんですね」
Tさんの奥さんは嬉しそに話した。
「前に建ってこの家を見ると、まるで青空に浮かんでいる、白い雲みたいなんですよ」
TさんがPLUS CASAを知ったきっかけは、xylo-:no.01のオープンハウスだった。
「あの住宅は、白くないですよね? Tさんが建てたかったのは白い家では?」
と聞くと、
「そうなんですよ。でも、この人たちに頼もうと決めちゃったんです。帰り際の受付の女性の笑顔がすごくステキで。小林さんたちが白い家もつくっていることは後になって知ったんです。あ、その受付の女性が利佳さんだったことも」
Tさんの奥さんは屈託なく答えた。
本当にそんなことがあるのだろうか? 自然、そういう疑問が生じた。なぜなら、PLUS CASAがつくる「clearシリーズ」と「xylo-シリーズ」はずいぶんと趣向が異なる。乱暴に説明すると、前者は白い家、後者は白くない家だ。しかし、
「温かい家だ! これを作った人は心の温かい人に違いない!」
Tさんたちはそう直感したそうだ。そしてこの直感が決め手となったのだ。
T邸は、建物前面にウッドデッキがあり、この家の中心となる、吹き抜けの高い天井を持つリビング・キッチンへと続く。両者の間は天井から床までほぼ全面窓ガラスで、だから、ウッドデッキに舞う落ち葉を追いかけたり、雨がつくる波紋を眺める娘さんの様子をキッチンから見守ることができるし、家族みんなでリビングの床に寝そべれば、夜空に浮かぶ真ん丸の月を楽しむことができる。この冬、Tさんは、ベランダに雪が積もったら、娘さんとカマクラをつくる約束をしているという。
うーむ、Tさんの家もずいぶんと温かそうだ。
この冬、晴れた日に空を見上げてみよう。カマクラを楽しそうにつくるTさんたちを載せた白い雲が、鳥取の青い空をぷかぷかと漂っているかも知れない。
(文: 和多瀬 彰 MAGAZINE PLUS CASA vol.6より)
