2010年
2月4日
最初の打ち合わせから7か月。いよいよ、図面とCG(コンピュータグラフィックス)、模型をつかってのプレゼンテーションの日がやって来ました。
待ち合わせ場所である鳥取市内の某カフェに川辺さんが到着すると、PLUS CASAの二人は既に着席し、待っていました。
軽い雑談のあと、図面が川辺さんに手渡されました。何枚かが綴られた図面の表紙には「川辺邸新築計画」の文字。これを見た川辺さんの興奮は一気に高まった様子。
小林の「では開いてみてください」の言葉を合図に、「いいですか?」と期待と不安を抱きながら、丁寧に表紙をめくる川辺さん。表紙を透かして薄っすらと見えていた「川辺新築計画」の最初のプランが明らかになる瞬間、川辺さんもPLUS CASAのふたりも、一番ワクワクし、緊張し、不安を感じていたと思います。
上に置かれているのが1/100の縮尺の模型。その下が「川辺邸新築計画」の1ページ目、平面図。川辺邸は平屋の計画のため、1階と屋上(屋根)が書かれています。
図面と模型を使いながら、一つひとつ丁寧に説明していくPLUS CASA 小林と、しっかり聞いて理解しようとする川辺さん。両者ともやや前のめりの姿勢です。PLUS CASAからの説明は、大きなテーマとして
- 着物・家庭菜園・料理を楽しみながら、心穏やかに過ごせる空間
- ビルの谷間で光・風・自然・風景を感じることができる空間
が提示されました。これはほぼ、川辺さんが最初に話していた条件がほぼそのまますくい上げられたかたちです。
では、プランの詳細を見てみましょう。
まずは「平面図」「立面図」「断面図」を見てみましょう。
- 図面左側が北、前面道路です。図面上が1階、下がR階(屋上)です。図面を用いながら、以下のような点について説明がなされました
- 道路側にキッチンやリビング、奥に寝室と浴室。それらを縁側と中庭がつなぎ、物理的に遠ざけ、視覚的に近づけています
- リビングと中庭の中間には、屋根付きのデッキテラスが設置されています。半屋外のこのゾーンによって解放感を得つつ、3方向からの視線は屋根によって遮られています
- 収納については「たっぷりほしい」といった以外、具体的な要望がなかったため、スペースとして確保するに留められています。リビングと寝室をつなぐ縁側に沿って、また、寝室にもクローゼット、床下収納を配置してあります
- 奥まった場所にある風呂は、さらにその奥にあるスペースから十分な光と風を得ることができます
- トイレはこの風呂と併設されているほか、リビング横にも配置されています
- 屋上のテラスは、かつてここに建っていた家での楽しかった記憶の再現。前面道路側に空いた風景を楽しむ装置でもあります
パース図
前面(北側)道路から。
キッチンから見たリビング、デッキテラス、中庭、縁側。
中庭から見たデッキテラス、リビング、キッチン。
寝室入口から見た縁側、中庭。その向こうにデッキテラス、リビングが見える。
屋上に設置されたテラス。建物左側の階段から上がる。右側に空いた空間は駐車場。この図のとおり、3方向を背の高い建物に囲まれている。
屋上のテラスからは前面(北側)に開けた風景が楽しめる。
プランに関してひとつひとつ丁寧な説明があり、それに対してうなずきながら、時に質問しながら聞く川辺さん。「自分の家の設計図」という、人生の中で何度も見るものではないモノを生まれて初めて見る、という経験は、彼女にとっても非常に新鮮な体験だったようです。
また、図面やCG、模型によって視覚化されたプランを見て、自分の求めている家についての要望や条件が、彼女の中でより具体化されてきているようでした。
今回のプランに対しての意見や、これを踏まえて生まれた新たな要望や条件を、後日まとめてEメールで共有することを約束して、プレゼンテーションと打ち合わせは終了しました。図面、そして特に模型を愛おしそうに眺め、持ち帰る川辺さんが印象的でした。
PLUS CASAさんと打ち合わせ。
今日は、家の図面とCG、模型が見せてもらえるということで、かなりわくわくしていました。 どんなカタチになったのかとっても楽しみでした。
まず、計画書と模型を見る前に、小林さんから少し説明がありました。
1500万円の予算と聞いてはいたんだけれど、デッキスペースなどの空間を作ることで、より心地のよい家になるだろうということで、坪数も予算も若干予算をオーバーしてしまったけれども、これを提案させてもらいたいというような内容でした。
これが、決定ではないと思っていたので、特に予算をオーバーすると聞いても何にも感じませんでしたし、坪数も20坪と希望していたものの20坪がどれくらいの大きさかよく分かっていなかったので、増えてもそんなものかと思っただけでした。
私が、着物、家庭菜園を楽しみ、心豊かに暮らせるよう、考えてくださった家の計画書が私の前に置かれました。表紙に「川辺邸新築計画書」って書いてあって、図面が少し透けて見える…。でも、小林さんに「見てよし!」って言ってもらうまで開いてはいけないような緊張感があって、すこし固まってしまいました。
表紙をめくって図面を見たとき、わーっていう感動と、細長い家だなあという冷静な思いがありました。昔の商業地で長屋の多い場所だから、土地の形状上、仕方ないんだけど。
説明を聞きながら、模型と図面を細かくみていくと、少し浮ついていた気持ちも落ち着いてきました。小林さんは、空間ごとにひとつひとつ丁寧に説明してくださり、なぜこういうカタチにしたのかよく分かりました。
帰ってから落ち着いて色々考えてみました。
率直な感想
- 模型の外観は真っ白だったけど、あったかそうな木の家がいいなあ
- 台所部分は板でもいいけれど、居間部分は畳がいいなあ
- 寝室も畳敷きがいいなあ
- 収納は多いし収納場所が固まっているので片付け下手の私にはグー
- 玄関の位置が微妙かも、と思いながらも道路に面していないほうがいいのかなあ
- 縁側のカンジがいい!けれど、リビングと寝室が離れてしまっているので、日常の動線を考えるとどうかなあ
- もしかして庭が広すぎるのかな
- 寝室と浴室が隣同士で窓がないので、湿気対策が気になる
- 寝室部分に洗濯機はだめ
- オープンハウスを見てデッキテラスがすごくいいと思って、実際にプランをみてもいいなあと思ったけど、どうかなあ
- トイレは個室がいい(風呂とは別にしてほしい)
- 浴室横のテラスは明り取りのほかに洗濯物を干したりできるんだったっけ?乾きはいいんだろうか
- 家の周囲に隙間があるけど、人が侵入しやすいのでは。気になる
- 南ってどっちの方向だったかなあ。少しでも窓が南を向いているほうがいいような
- ルーフテラスはいい!
今日のプランで気になるところ
- 湿気
- 防犯
- 動線
- 洋風か和風か
ふだんの動線を考えてみる
- 起きる ⇒ トイレに行く ⇒ シャワーを浴びる ⇒ 洗面台でお化粧 ⇒ 朝ごはん、お弁当の準備 ⇒ テーブルで朝食 ⇒ 洗面台で歯磨き ⇒ 着替え ⇒ 洗面台で髪の毛をセットする ⇒ コタツでお茶を飲みながらくつろぐ ⇒ 渋々出勤
- 帰る ⇒ 手を洗う ⇒ 着替える ⇒ くつろぐ ⇒ 夕食の準備 ⇒ 夕食 ⇒ 片付け、明日の朝食の準備 ⇒ くつろぐ ⇒ お風呂 ⇒ お茶飲んでくつろぐ ⇒ 寝る
難しい… けど、今日、図面とCG、模型をみせてもらって少しずつイメージが沸いてきました。今までは、自分がこうしたいとか、私は何がいいと思っていて何がダメなのかとか、モノがないとよく分からなかったんだけど、一つのカタチとなったものを実際にみて、やっと考えることが出来はじめたような気がします。
まずは喜んでいただけたようで一安心。ただ、現在の暮らしより老後の暮らし方に重点をおいて考えたい。という新たな要望が加わり、最初に依頼をいただいたときから「求められているものが変わったな」という印象を受けた。より現実的に考えてくださり、悩まれている様子が伺えたので、要望をまとめてもらう時間が必要だと思う。小さな家だからこそ、大切なことを絞り込んでいただきたい。今回のプレゼンが、叩き台になればいい。
2010年
2月13日
PLUS CASA 小林さま
先日はありがとうございました。初めての図面と模型に少し緊張してしまいました。
あの後から、日常の自分の行動などを新しいお家に当てはめるように想像しながら生活をしてみているところです。10日ほどしか経っていませんが、気付いたことなどを忘れないうちに報告しておきます。
外観について
Q1.詳しく確認していなかったのですが、たしかCGで見せていただいたとき「白」っぽかったような気がしましたがどうでしたか? 私は、「木」で覆われたようなお家がいいなあと思っています。
リビングについて
畳の部屋(部分)が欲しいです。
洗面室、浴室について
Q2.今、浴室とされているところに収納を持ってきて、リビングのあたりに洗面室や浴室を移すことは可能でしょうか?
この前お会いしたときも少しお話しましたが、クローゼットや寝室の近くだと湿気が気になるところです。浴室、洗面室(脱衣室も兼用でもよいです)は別々に分けたいと思います。トイレは、寝室付近にひとつあったらいいなあと思います。また、洗濯機を置く場所も脱衣室付近に移動させたいと思います。
寝室について
段差のない畳の部屋がいいなあと思っています。
誰かと一緒に暮らすこととなったとき、寝室部分が廊下兼縁側で遠くにあるように感じられ、様子が伺えないことが気になっているようなお話をさせていただきましたが、悩んでいます。
でも、私が多くの時間を過ごすであろうリビングと寝室とを切り離すことで、オンとオフが、また公の場(というほどのことではありませんが)とプライベートな場とがはっきり分かれていていいなあと思ったりもします。悩んでいます。
エントランスについて
もう少し道路に近いところに移動させたいような気もしています。
ルーフテラスについて
Q3.ここもデッキテラスでしたか?
Q4.ルーフテラスに上がる階段のところは屋根のようなものがありますか?図面で見る限りでは階段がむき出しのような・・・
デッキテラスよこの門扉のようなものについて
Q5.この門扉の背の高さは変更可能ですか? 反対側にも門扉のようなものは設置できますか?
とっても怖がりなもので・・・すみません。なんだか泥棒さんが自由に入ってきそうで、怖いです。家の周りが開放されていると、バックヤードのあたりから侵入されそうで・・・怖いです。
メールだけではなかなか伝わり辛いかもしれないので、また、お会いしてお話できたらなと思います。よろしくお願いします。
川辺
2010年
2月15日
川辺様
お世話になっております。
こちらこそ、先日はありがとうございました。また、メールいただきありがとうございます。
下記ご要望、だいたい理解させていただきました。もう少しお伺いしたいこともあるので、一度打合わせを、お願いします。今月は、ずっと予定が入っているので、3月に入ってからお願いしたいです。ご都合のつく日時を教えてください。できれば平日がありがたいのですが…。
勝手を言いますが、よろしくお願いいたします。
PLUS CASA 小林 利佳