WORKS – case-A/K

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鳥取市内中心部に密集する住宅地の一角に、このK邸は位置しています。前面道路側に確保した貸し駐車場スペースが、過密な周囲の家並みにゆとりを与えました。

その奥に凛と佇む真っ白なゲートは、アプローチ空間を受け止め、ここからがプライベートスペースであることを示します。その先に専用ガレージと来客用駐車スペースを置くことで、緩衝体として機能し、後ろに続く住居スペースの居住性を高めることに成功しました。エントランスから奥へと続く薄暗い廊下を抜けると、光あふれる住居棟にたどり着きます。

住居棟は敷地形状に合わせ12度振ってあり、そのズレによって生まれたすき間が中庭となって内部と連続し、空間を彩っています。真っ白な空間が見上げた空を切り取り、その青さを引き立たせています。それは、周りが市街地であることを忘れさせてくれるほど。きっとこの空の青さが、ここでの生活をさらに豊かにしてくれるに違いありません。

Data

Data: ○所在地/鳥取市相生町○用途/専用住宅○家族構成/夫婦(50代)、犬(セントバーナード)○構造/在来木造○規模/地上2階建○設計期間/2004年 9月~2005年3月○施工期間/2005年4月~同年11月○敷地面積/442.97・○建築面積 /105.01m2○延床面積/114.58m2

Detail

鳥取の建築家PLUS CASA WORKS - case-A/K

リビングルーム

リビングホール。コンクリート壁の奥にキッチンを配置。また、螺旋階段はK氏のリクエストにより採用されたもの。この階段の存在が、空間にモダンな雰囲気を醸し出す。

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リビングルーム

無垢の杉板(30m/m厚)を使用した床は、K氏がよく利用するホテルを再現したもの。繊維に気泡を多く含み、断熱材(現場発泡ウレタンを採用し高気密、高断熱を実現)にも。

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渡り廊下

フリペからコピペする。フリペからコピペする。フリペからコピペする。フリペからコピペする。フリペからコピペする。フリペからコピペする。フリペからコピペする。

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中庭

四方の壁で包まれた中庭は、隣家の視線や外界の雑音も遮ぎられたオアシス。窓を開けることで、リビングと連続した空間に。

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バスルーム

バスルームは、大の風呂酸きのK氏がもっともこだわった部分。 鮮やかなアクセントカラーは氏のお気に入り。

平面図

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特別記事: 潔い家。

自邸の建て替えのため、多くの工務店を訪ねた施主のK氏。しかし、ピンと来るものには出会えなかったという。そんなとき、建築を学んだ経験のあるK氏の息子さんが、「鳥取に面白い建築家がいる」とPLUS CASAを紹介したのが、K氏と小林の接点となった。その後、PLUS CASAの処女作である智頭のY邸を見たK氏は、小林に依頼することを即決。
「センスが良いですよね。提示された条件に対する思考的、造形的な部分を含めた答えに、気持ちよい潔さを感じました。すぐに彼に任せてみようと思いました」

そうしてできあがったK邸は、潔さを具現したものと言える。中央に吹き抜けを持ったリビング、コンクリート壁を隔ててキッチンと反対側にバスルーム、それを挟んで唯一の収納である大きめのクローゼットが配された1階。2階は収納を持たない寝室が3つと、それらを繋ぐ渡り廊下だけだ。 一見シンプルなだけに見えるK邸だが、プラン全体を見渡してみると、いくつかの条件とその独特な土地形状ゆえに、それほどシンプルではなかったことが分かる。 「月極駐車場10台分、自家用車2台と来客者用2台分、計14台の駐車スペース」「開放的な空間とプライバシーの確保」この2大条件を、月極駐車場を前面道路に配し、続けて私有車駐車場、壁を持つテラス、そして敷地最奥部に住宅部分を置くことでクリア。自然な動線を生み出しつつ、近隣が密接した住宅地においても、プライバシーの確保された、開放感のある高い居住性を獲得している。

「図面や模型から、ある程度は想像してはいました。でも実際に住んでみて驚きました。想像以上に良いです、この家は。広いリビングが、冬場ちょっと寒いんじゃないかと心配していましたが、全くそんなことはなかった。そして、この家は前の道路から見ると、本当に良いんですよ。美しいんです。駐車場から玄関へのアプローチもすごく気に入っています」

シンプルに暮らすには潔さが必要だ。2階の寝室に収納がないことについてK氏に質問したところ、「ガレージに収納できますから」という答えが返ってきた。「どうせ建てるんだからアレもコレも」ではなく、自分たちにとって本当に大切なものを、丁寧に見極める。それらだけで構成された家での暮らしは、自然と、美しいものになるはずだ。

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