WORKS – case-H/A

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敷地は北面接道の住宅地、既に南面と東面はふさがれ、西面もいずれそうなることは予想できました。クライアントの要望は大きく分けて(1)一つの部屋で家族みんなが暮らしたい(2)友だちを呼んでBBQをするので、リビングからつながるデッキスペースが欲しい(3)雨や雪を考慮して屋根付きの駐車スペースが欲しい、の3つでした。

この与件から2階を生活の中心となる場としてデッキ、リビング、バスルーム、クローゼットを配し、1階には寝室と駐車スペースを割り当てました。デッキとリビングを仕切る木製家具は、全開放となって内と外の境界を曖昧にして空間を一つに繋ぎ、閉ざされつつも開放的な暮らしが可能です。

大きく張り出した駐車スペースの庇は、この住宅の顔とも言えるアクセントとなりました。

Data

Data: ○所在地/鳥取市○用途/専用住宅○家族構成/夫婦+子ども2人○構造/在来木造○規模/地上2階建○設計期間/2010年3月~2010年11月○施工期間/2010年12月~2011年6月○敷地面積/148.64m²○延床面積/89.80m²

Detail

鳥取の建築家PLUS CASA WORKS - case-H/A

リビング・ダイニング

キッチンから見たリビング・ダイニング。外部との視覚的な繋がりが、広さと開放感を与える。

鳥取の建築家PLUS CASA WORKS - case-H/A

デッキテラス

A邸の中心部であるリビングと接続されたデッキテラスは、夏はBBQ、冬は雪遊びと、アウトドアアクティビティの場ともなる。

鳥取の建築家PLUS CASA WORKS - case-H/A

駐車場

夕闇に浮かび上がるA邸の駐車場。木目が美しい。特徴的な大きな庇は、雨や雪の日でも、車の乗り降りを楽にしてくれる。

鳥取の建築家PLUS CASA WORKS - case-H/A

収納

玄関脇に設置された巨大な下駄箱と収納棚。

平面図

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  • Ba 浴室
  • BR 寝室
  • C 収納
  • De 書斎
  • E 玄関
  • K キッチン
  • L リビング
  • P 駐車場

特別記事: 「これが、わたしたちのための家」

いつか自分たちの家は欲しいと思っていたが、時期などを明確に決めていたわけではなく、何となく情報だけを収集していたAさん夫婦。地元の情報誌に掲載されていたPLUS CASAの住宅(case-F/T)を見て「あ、コレだ!」と直感したという。仕事柄、Aさんはこれまでにたくさんの住宅を見てきたが、「鳥取でもこんな家が建てられるんだ」と嬉しくなったそうだ。

設計を進めるうえでAさんが提示した条件は「屋根のあるガレージ」「デッキテラス」「ワンルーム的な暮らし」の3つ。それらはすべて実現し「想像していた以上」の家となった。欲しいと思っていたもの、打ち合わせ中にふと思いついて口にしたものが設計に組み込まれ、それが本当の家となって建ち上がっていく様子を、しかしAさん夫婦は「寂しい」と感じていた。それだけ家をつくる過程が楽しかったのだという。

が、居を移してすぐにその寂しさは消える。あまりにもそこでの暮らしが素晴らしかったからだ。

リビング横に設置されたデッキテラスでは、ひとりBBQ、プール遊び、雪遊びを楽しんだ。布団や洗濯物もたくさん干せるし、リビングにたくさんの光と風を取り込んでくれる。リビングからも風呂からも、このデッキテラスを通して星空を眺めることができる。

楽しい空間は、家族をよりオープンにした。家にいる時間が以前よりも長くはなったが、社交的な時間を過ごすことはむしろ増えたという。

本当に嬉しそうに自邸について語るAさん夫婦。

「この家はね、自分たちのためだけの家なんです。もう自分たちの体の一部のような気がしています」

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