インターンシップ
先月、米子高専の学生君が、インターンシップに来てくれました。
インターンシップ中は、いわゆる“建築の仕事”だけでなく、にわとりの世話、薪づくり、畑仕事や友人との飲み会…など私たちの日常を一緒に過ごしてもらいました。にわとりの世話をする設計事務所はなかなか無いかも?!笑
山の中にある小さなアトリエ設計事務所が、何を伝えることができるのか?
私たちが軸としている、豊かな地域の価値を見出しその資源を活かした暮らしを楽しむ。
インターンの感想を読んで、日常の営みから都市的な価値観では得ることのできないことを学んでもらえたと、嬉しく思っています。
期間中、打合せに同席させていただいたクライアントや一緒に過ごしてくれた友人たち、ご協力ありがとうございました。
《インターンシップ感想》
この度は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。インターンシップを貴社で行えたことが何よりも自分の財産となりました。建築の仕事のみならず、建築・デザインを通して町や人とどのように関わっていくかを教えていただき、大変勉強になりました。
現場見学や打ち合わせに同席させていただいたことで、普段学校で学ぶ机上の知識とは違って、実際に現場へ足を運び、肌で建築の仕事を感じ取ることができました。最終日に「いのちね」を見学させていただいた際には、模型で作ったものが実際に存在していることに感動し、感慨無量でした。
「小さな仕事は手間がかかるし利益も少ないけど、誰かがやらないといけない」という言葉が印象的でした。小さな仕事も大きな仕事もクライアントにとっては人生の重要な転機で大事な瞬間で、だからこそ軽視せず真摯に向き合うことが大切だと感じました。どのクライアントも建築を通じて新しい未来を築いていく過程だから、その人生に貢献できたときの達成感や喜びは大きく、それがこの仕事のやりがいなのかなと思いました。
また、町に一つ設計事務所があることは、その町にとって大きな価値をもたらすということを実感しました。何か新しいことが始まる時、人は集まります。その集まる場所、面白いことが生まれる場所を提供できることは、建築の仕事の重要な役割だと思います。そして地元の方々と共にまちづくりを進めることで、一体感が高まり、より良いまちづくりが継続的に行われるのだと感じました。
色々な場所に行き、色々な方と出会い、初めて経験することも沢山ありました。自分の住む町以外に長期滞在することはこれまで無くて、だからこそ智頭町の持っている魅力を感じ取ることができたし、普段過ごしている地元を見つめ直すきっかけにもなりました。
今回このインターンに行く前に、「豊かさ」とは何なのか考える時がありました。どうして何もかも揃っている都会に住む人が、不便な田舎で暮らし、心が満たされているのか不思議でたまりませんでした。ですが、実際に移住してきた小林さんや二拠点で生活する村尾さん、伊勢さんの姿を見ると、少し理解できたような気がします。豊かさとは、物質的な充実ではなく、自分の本心と向き合うことが出来る環境があることだと感じました。あるものが限定されることで、一つ一つの事柄に対し奥行きを持った関わり方ができ、それらが自分の心と向き合う時間に繋がり、本当に大切にしている価値観や喜びに気づけるのだと、何となく思いました。
そして、誰かに豊かさを提供するには、まずは自分の暮らしから見直すのも必要だと思います。だからこそ、仕事の時間だけでなく、普段の生活を一緒に過ごすことができたのは凄く意味のあることだったと思います。本当にありがとうございました。
忘れられない経験が多く、「為になった」と言う言葉では片付けられないほど、ものすごいエネルギーを皆さんからもらいました。とても楽しかったです。また行きます。