中山間地域における在宅ケア複合拠点の整備工事着手
私たちが暮らす鳥取県智頭町の高齢化率は44.44%、少子化や若者の町外流出もあいまって年々上昇しています。
高齢化に付随する問題として介護や認知症等が知られていますが、ミニデイやサロンなど『通いの場』に参加することに予防効果があり、非参加者と比べて要介護認定率や認知症発症率が低くなることが近年の研究で分かっています。
そうした知見を踏まえ、智頭町中原にある“助産院いのちね”を拠点に、「ゆりかごから墓場まで、命の循環がある地域づくり」をコンセプトに、全ての世代を受け入れることができる場づくり、高齢者が可能な限り自立した生活を送り続けるような地域づくりの視点を組み込み、子どもも大人もごっちゃまぜに過ごす場所を目指した建築が着工しました!
産まれる、育つ、学ぶ、暮らす、働く、看取る…が誰にでも用意されている場所。いのちはグチャグチャなものであって整理されていない。バラバラを表現するような不規則さを建築で表現できれば、とのご要望。敷地のある静かな集落の景観をできるだけ損なわず、以前から在ったかと思うような建築をご提案し、いのちね敷地内に医療福祉、温浴、宿泊それぞれの機能をもった建築を点在させます。
全体俯瞰図
産科医の竹内正人先生から、「0.1㎜の受精卵がヒトになっていくプロセスで、最初に獲得する感覚は触れるという皮膚感覚。子宮の中で全てを委ね触れる触れられた感覚は、奥深いところに生涯消えずに残って、心を許せるものにそっと優しく包んでもらえるだけで、どんな困難でも乗り越えてゆけそうに思えてきます」と子宮的生き方のお話を伺いました。
医療福祉施設は、そんな『子宮的に生きる』空間を表現し体現できる空間となる予定。この建築が、全ての人を受け入れる場所になることが待ち遠しいです。
医療福祉施設基礎工事