智頭町の林業景観

平成30年2月13日「智頭町の林業景観」が、重要文化的景観に選定されました。文化的景観とは、「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」(文化財保護法第二条第1項第五号より)を指します。

暮らしの場の価値を正しく理解し、地域でまもり、次世代へと継承していくこと。智頭町は林業を核に、山林や山村集落、宿場町など豊かな文化的景観が形成されました。
景観はあまりにも日常の一部であるので、その価値に気がつきにくいものです。しかしそれらを当たり前としてここで暮らしている日々は、とても豊かなことです!

その文化的景観の選定エリア拡大に関わる調査の一環として、集落の建物種別調査のお手伝いをしています。「建築とニワトリ」の記事で小林が「最近一番興味のあること」と語っていた調査です。

集落内を歩き、建物の種類や特徴など確認しながら、先人たちの営みをたどっていきます。
ふだん車で何度も通っている道でも、歩くことははじめてのエリアばかり。車で素通りするだけでは見えない景色が見え、新たな気付きがたくさんあります。暮らしている町を深堀りしていくこの作業は、とても新鮮で刺激的です。また調査成果や感動した風景などを、同じ価値観を持つ調査メンバーと共有できることも大きな楽しみの一つです!

水と共にある暮らし


何度も車で通っている道沿いに神社があることを発見!

また今回は、智頭林業の源である「母樹スギ」を芦津東部に広がる東山・沖ノ山に見に行きました。智頭林業は、天然に生育するスギの木から種子や挿し穂を採取し、苗木を作って発展しました。その挿し木を採取していた母樹スギは、直径2.5m、樹齢500年以上の巨木、その姿はとても美しかったです。

母樹スギ

源となった母樹を見ることができ、改めて文化的景観の視点から、現在の私たちの日々の営みが、さらに愛おしく誇りとして感じられるようになるといいなと思います。

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