トレーラークリニック

これは未だに終息の見えないコロナ渦において、最前線で診療・検査医療にあたっている幼馴染の開業医から依頼を受けたプロジェクトです。

彼の医院は、鳥取県の指定する発熱等の症状がある方の診療を行う296の診療・検査医療機関の内、県ウェブページでの公開を可としている数少ない医院であり、毎日夜遅くまで対応に追われていました。
指定医療機関には、発熱患者と一般患者は院内エリアを分ける空間分離か、対応時間を分ける時間分離かを求められます。失礼ながら彼の医院規模では時間分離が一般的と考えますが、発熱患者に少しでも早い診療を行うため、あえて院内駐車場に仮設テントを設置し対応していたというので頭が下がります。

どうにか夏の暑さを乗り越えた頃、「寒くなるまでに安心して診療できる空間を作りたい。」との相談からプロジェクトが始まりました。

予算以外の条件提示は5つ。
① 院内駐車場一台分におさまる広さ。
② 出入口を2ヶ所設ける。(患者さん用とスタッフ用)
③ しっかり換気出来る窓を設ける。
④ 電源はポータブル電源、または院内からの延長コードで対応する。
⑤ コロナ終息後は災害時やイベントの移動診療室、または趣味として楽しめる空間にしたい。

コンテナ、プレハブ、モバイルハウス…などを検討する中で、私たちは脱着式トレーラーハウスが最適との結論に至ります。普通免許で牽引できる最大寸法と最大積載荷重を制限とし、シンプルでコンパクトな快適移動空間を既成トレーラー上にドッキングする構成としました。

新型コロナウイルスにより生活が一変し、求められる空間も多様化している今日、場所を選ばずパーソナルでソーシャルに活動できるトレーラーハウスは、様々な分野での実用性にあふれています。もしかするとコロナ渦を脱出し、新たな生き方へと漕ぎ出す箱舟となり得るのかもしれません。

コロナ禍が終息し、クライアントがプライベートでトレーラーハウスを楽しく活用される日が早く来ることを願っています。

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