お互い様
間口5.5m奥行42mの敷地のS邸、ほぼ敷地いっぱいに建物を計画しています。
このような場合、建方時の重機の設置場所、工事車両、材木、作業スペースの確保が難しく工事がしにくいのですが、隣地が空地だったこと、その所有者の方が快く敷地を貸して下さったおかげで工事もしやすく、とても助かっています。
敷地の周辺環境などで工事方法や進め方も変わり、デザインにも大きく影響します。
設計をご依頼頂いた時に私達がイメージしたデザインは工事難易度が高くなることが予想出来たので、あらかじめデザインにかかる前に隣地の所有者の方にご挨拶に伺い、敷地を貸して頂けることを確認してからデザインを始めました。
建築工事はどうしても近隣の方々にご迷惑をおかけしてしまい、トラブルも付きまとうのですが、今回のように「お互い様だから」と温かく接してくださると本当に有難いです。
隣地の所有者にご挨拶に伺った際、「境界線にある延石をついでに撤去しておいて」と頼まれ、その石を掘り出してみると想像以上に大きさもあり形も整っていたので、キッチン脇の勝手口から物干しテラスに繋がる中庭の飛び石に再利用させてもらいました(冒頭の写真)。