HOME BASE
先日、友人たちとHOME BASEで食事会を楽しみました。
友人と共にテーブルを囲み、美味しいものを食べて話をするだけでも楽しいけれど、各々好きな場所でリラックスしている友人たちの姿を見るのが、「設計時に描いたイメージ通り~」と、いつも嬉しく大好きな光景です。
元々倉庫だったこの場所は、資材が日焼けしないように窓が塞がれ、使わなくなった資材など、ほぼゴミと化していたモノで埋め尽くされた負の空間だったけれど、今では笑い声で溢れている。
この場でしか得ることのできない既にあるものを活かし、ゼロからでは現せなかった空間へと生まれ変わることは、改修工事の醍醐味です。
また職住一体空間という固定概念に捉われず、打合せスペースやハウススタジオ、ギャラリーなどと用途を決めず空間の可能性を模索し続けています。
(こんな空間活用はどう?など楽しいアイデアも随時募集中)
改修前、資材で埋め尽くされていた
現在のHOME BASE
「不便」とか「何もない」など、田舎でよく聞くネガティブな要素を「豊かさ」として捉えて楽しみ、田舎暮らしの選択肢の一つとなれば…とのコンセプトで倉庫をコンバージョンしたHOME BASEに暮らし始めて、この春で8年になります。
京都から小林の実家がある智頭町に移住すると決めた2000年頃は、「田舎で設計事務所などやっていけない」と、周囲から反対されました。
『なぜわざわざ、こんな山奥の不便な場所に暮らすのか?』
11年前、この場所に住み続けようと覚悟を決めHOME BASEの設計を始めてからもずっとその答えを探し続けています。
ただ移住した2000年頃から変わらない豊かな風景や美味しい山の湧き水などの自然環境、季節の移ろいを感じながら心豊かに暮らす時間。山暮らしの不便さを楽しみ、自然の恵みに囲まれた生活をしつつ建築にも向きあえることは私たちの強みだ!と思える社会になってきたように感じています。
また昨年、尊敬する東京の建築家が遊びに来られた時に、「こんな豊かな場所で設計事務所を営んでいることが羨ましい!」と言われたことも、私たちの選択は間違っていなかったと再確認でき、とても嬉しかったです。
自分が理想とする暮らし方は自分自身でデザインすることが出来る。
豊かに楽しく暮らしているよ!って、葛藤していたあの頃の自分に教えてあげたい。
今までの体験や得た感性で、古いものを新しく活かす価値や、豊かな関係性を未来に引き継ぐ提案ができればと思っています。